2017年度秋学期 研究会第4回

秋学期第4回の研究会が行われました。

まずは、ロフトワーク渋谷プロジェクトの共有から。

道玄坂にある緑地帯をハックして新しいコミュニケーションを生み出すことを試みるプロジェクトとして始まったプロジェクトで、設置場所は渋谷109のすぐ側というポテンシャルの高いロケーションとなりました。

12月から3月までの設置ということで、何をどう植えるのか、ということについて議論しました。試行錯誤のさなかであるプロジェクトであることから、まずは研究会メンバーでそれぞれ案を出すことになりました。

次に展示会についての共有を行いました。

来年2月に開催する石川研の展示会の会場に下見に行ったメンバーが、測量を行い、それを踏まえて考えた動線についての共有を行いました。

条件と大きさを把握して逸脱しない会場設計や、コンセプトに基づいた空間設計の事例を集める など、これから着手すべきことについてのアドバイスをいただきました。

また、11月末に行われるORFの共有も行いました。

石川研ならではのものの見方がわかるような、普段の活動の成果を展示するという方針のもと、展示形態についての検討が必要です。

続いて、平成アーカイブプロジェクトのブレストを行いました。

昨年度までと異なり、「平成」という時代を扱ったメディアを作る上で、研究会メンバーが感じる「平成」の印象や思い出などを話しました。

アニメやゲーム、ファッションといったポップカルチャーの他、「カラフル」な印象といった抽象的なものも挙がりましたが、自分たちが感じている「懐かしい」とは何なのかについては、議論の余地がありそうです。

最後に、先生によるミニ・スタジオ・タイム「デザインする人への歩み」が行われました。

デザイナーに必要な資質として「観察力」とは何なのか、議論され、「テラコッタに植えられたサクラソウがアスファルトの上に置かれている」という状況を例に、「観察」とは見えているもの以上の何かを見いだすことであると考えました。

そして、観察をもとに記録をし、必要なものを抽出、あるいは分析をし、記述を行い、他者に共有できるフォーマットとして出力することが求められるとおっしゃっていました。

(竹田)

2017年度秋学期 研究会第3回

3回研究会が行われました。

今回は以下トピックが扱われました。

1.絵日記レビュー

2.コンクリート・ネイティヴ進捗発表会

3.G空間EXPO2017報告

4.朝日アーカイブ課題説明

 

1.絵日記レビュー

2回と合わせ、今回の4名のレビューで全員の絵日記発表が終わり、各人の習慣化のプロセスが出揃いました。石川先生からは、「習慣化のためのルール」、「作品化するためのルール」とその両者の関係性についてのお話がありました。

 

2.コンクリート・ネイティヴ進捗発表会

今学期の研究会共通のグループ課題である「コンクリート・ネイティヴ」は、理論編と実践編に分かれています。今回は理論編の発表、「コンクリート」に象徴される近現代の都市施設がもたらす景観・風景に関する評論を調べ、「コンクリート・ネイティヴ」という立場の風景論における位置づけを明らかにし、各チームがコンクリートとどう向き合うかについて発表を行いました。

 

3.G空間エキスポ報告

1012日、13日、14日、「地理空間情報科学で未来をつくる」をテーマに日本科学未来館でG空間EXPO2017が開かれました。参加メンバーからの成果報告、特にお台場を江戸切絵図で表現するワークショップについての説明がありました。

 

4.朝日アーカイブ課題説明

首都大学東京の渡邉英徳先生から、4大学(首都大学東京、宮城大学、早稲田大学、慶應義塾大学)合同課題である「平成アーカイブ」の説明がありました。過去の合同課題、首都大学東京渡邉研究室の活動の紹介から今回の課題の説明がありました。

 

(やまだ)

2017年度秋学期 研究会第2回

第2回の研究会が行われました。

・絵日記レビュー

夏休み中の課題であった「絵日記」の発表と講評を行いました。

毎日続けていくために、何がきっかけで習慣化されていくのかが、それぞれの作品の中から読み取れました。

 

・大磯LWのまとめ

9月23日にランドウォークで訪れた大磯のまとめを行いました。

各自提出したノートを見ながら、気がついた点や具体的な提案を説明しました。

具体的には、駅と海岸を繋げる道を作るという提案や、大磯で迷わないための定規の提案などがありました。

 

・アルカル報告

9月30日に発表した「渋谷迷宮の記録と翻訳」の報告がありました。過去の実験を振り返り、都市(渋谷)をナビゲーションする際には、ランドマークも重要ですが、シークエンス的に捉えることが良いのではないかという発見がありました。

今までの実験は身体知的に見てもおもしろいため、どのように成果物にまとめるかといった展望も語られました。

 

・平成アーカイブについて

今年度も行われるプロジェクト「平成アーカイブ」の説明と過去の作品の紹介を行いました。

 

・デザインする人への歩み

今学期から試験的にスタートする「デザインする人への歩み」というミニ・スタジオ・タイムが行われました。

短期的な目的としては、研究会履修生が「デザイン」というキーワードが絡む議論に対して語彙と勇気を獲得し、よりデザインに対する知見を広げることを目的としています。

第1回目の今回は「観察」がテーマでした。

自分が考える「デザイナー(のイメージ)」の服装での参加、またその服装を選んだ理由を考えてくるという事前課題がありました。

選んだ服装の理由を尋ねるところから始まり、デザインとは、デザイナーとは何をする人なのかについての議論をしました。最後にデザイナーが持つべき資質である観察力はどのように鍛えるべきかについて。具体的には、観察の解像度はどうしたら上がるのか、観察結果を記述する力はどう養うのかについて考えました。

 

最後に、来年2月初旬に行われる研究会の展示会についての説明がありました。

(やまだ)

2017年度秋学期 研究会第1回

2017年度秋学期第1回の研究会が行われました。

今学期の履修者はは院生7名、学部生23名と大所帯です。

まずは石川先生から研究会についての説明。

・今学期中はくよくよ迷わず頑張ること

・時間の管理を徹底すること

・「愚直に・執拗に・丁寧に」を意識し、いい加減なところで諦めず、きちんとしたものを出力すること

・プレゼンを言い訳で始めない

・身体的に無理をしない

などが、研究会において守るべきルールや重要とされる考え方です。

続いて新規生による自己紹介。履修前に提出したダイアグラムをもとに発表してもらいました。

1人目は、環境2年の松枝くん(まつけん)。

労力・時間をかけた旅や手を動かすことが好きだそうです。昆虫や庭への興味から発展し、田園都市に憧れ・ランドスケープへの関心につながり、石川研に。

2人目は、環境2年の小室さん(ゆきの)。

絵を描くことが好きでしたが、中学では美術部の代わりに技術部に入り、工作もできるように。生まれや通学先の関係でアイデンティティが土地に根付いてない感覚があるため、いろいろな場所を訪れたいそうです。

3人目は、総合2年の山田くん(ゆうたろう)。

バスケからラグビーに打ち込んだ12年間を取り戻すべく勉強し、1年間別の大学で数学を学んだ後、SFCに入学。石川先生のパーソナルプレイスデザインをきっかけに石川研の履修を決意しました。

4人目は、環境3年の太田さん(おたかな)。

受験勉強漬けだった人生から一転、大学では学祭の実行委員会や、エネルギーの研究に勤しんでいたよう。文章を書くのが好きで、休養期間中にブログをはじめたそうです。

5人目は、環境3年の尾高さん(さき)。

今学期より復帰。ダイアグラムではダンスサークルの公演の演出や振り付けに専念していたときにつけていたダンスノートをベースに作成。漠然と抱いていた「環境」から一歩踏み込んで何かを生み出す力をつけたいそうです。

6人目は、環境3年の大迫さん(もな)。

宝塚生まれ。大学でK-POPサークルに入ることを夢見ていたがなかったので三田にて創設。文化財保護に関心があり、平泉の未来について考えるプロジェクトで活動していました。

7人目は、環境3年の金坂さん(もえ)。

以前は別の大学で旧約聖書について勉強した後にSFCへ。運動やファッションが好きだが、最近の関心は廃墟で、将来的には廃墟でクラブを開きたいそうです。

8人目は、環境3年の佐藤さん(まい)。

今学期より復帰。中学の頃からジャズボーカリストが夢。SFCでは表現教育に興味を持ち、教育系の研究室やSBC(スチューデント・ビルド・キャンパス)の研究室で活動してきました。

9人目は、環境3年の西井さん(あや)。

今学期より復帰。ダイアグラムは大学に入ってから作ったものをまとめたもの。完成後の興味関心の行き先や、どういうものを作るのが好きかが、ダイアグラムを通じて発見できたようです。

続いては、研究室で進めているそれぞれのプロジェクトの紹介を担当者から。

1. 千年村プロジェクト

千年以上にわたり生産と生活が持続している村について調査。
震災をきっかけに、失われたものではなく生き残れたものたちが大切なのではないかという考えに立ち、生き残りの要素を紐解いていきます。
様々な専門家が集まっているプロジェクトで、広域な分野を横断的に学ぶことができます。

2. 神山プロジェクト

研究対象は徳島県神山町。8割を山地に覆われた人口5000人余りの集落。
今後の人口減少を見据えた上で、この町でどう暮らすべきかについて考え、提案するため、町全体を周回し、観察を行い、景色や構造物の分析、住民へのインタビューなどを通してまとめていきます。

3. 建築と植栽

「新建築 住宅特集」をベースに、住宅を解説する中で植栽についての記載が出現する文脈、記載における解像度の変化などを探求します。テキスト・定量データ・個別事例の3点に焦点を当ててデータ化し、傾向を探っていきます。

4. SBCプロジェクト

SBCとは、創設から運営まで学生・教授・職員が一体となった滞在型教育を目指すキャンパス。施工から家具の製作まで、学生らも携わり建設。
2期建設計画進行中。ドームのほか、滞在棟やオープンキッチンなどを盛り込み中です。

5. 大磯プロジェクト

吉田茂邸および大磯町からの提案で発足。
実地調査(LW・住民インタビュー・ヒアリング)・歴史調査(西湘バイパス開通の前後についての調査)を行い、大磯という町に対して提案します。

6. 深大寺プロジェクト

調布市内・石川先生のお宅近くの空き地の活用方法についての提案をします。

(最終的には調布市へ報告・提案)。

7. 調布景観プロジェクト

石川先生が調布市の景観アドバイザーに任命されたことを機に、市の景観まちづくりの一環で市民(特に子ども)に郷土景観に対し興味を持ってもらうためのワークショップを考えます。

8. ジャカルタ

東大の岡部教授を中心に発足。インドネシアの首都・ジャカルタにて、グローバルシナリオ、イミネントコモンズ、ブリコレージの3点をベースに考えます。

9.  郊外住宅地の庭を介したご近所付き合い

新白岡と仙川にある2つの郊外住宅地を比較し、庭を媒介したコミュニケーションがどのように誘発されているのかについて考えます。

10. アルカル(歩くカルチャー)

歩くことの楽しさを模索するというプロジェクト。事前に一定の経路を歩いた人が、歩きながら吹き込んだ景色やルートについての音声を聞いたり、街中に残されたメモを見たりして、別の人が同じルートを辿るという試みを行いました。

11. ロフトワーク渋谷極小特区計画花壇ハックプロジェクト

渋谷 道玄坂周辺にある花壇のハックプロジェクト。ゴミ投棄・花壇としての機能喪失などが慢性的な問題であることから、数箇所の花壇を与えてもらい、活用方法を考えます。

12. G空間エキスポ

地理情報系のアイデアやシステムなどについての各種研究を集め、日本科学未来館にて発表・展示を行います。

13. 朝日新聞アーカイブ
報道映像・写真のデジタルアーカイブプロジェクト。首都大の渡邉研および朝日新聞社共同で発足。今年のテーマは「平成」です。

次にORFについて。

ORF(Open Research Forum)とは、SFCの研究会の活動を広く一般に知ってもらうため、研究会が一堂に会し成果発表を行うイベント。今回は、展示についてのルールの共有を行いました。

その後は、ドコモハウス利用方法と、各係についての説明を行いました。

最後に今学期2、3年生を中心に取り組むグループ課題を先生から発表されました。

現在、建築で最も多く用いられる素材であるコンクリートに対して、生まれたときからコンクリートに囲まれている我々学生(コンクリート・ネイティブ)は先入観なくコンクリートに接することができます。一般的に、コンクリートは異質なものとされがちである中で、素直にコンクリートに触れることの可能性を考え、その接し方とそれをもとにしたデザインの提案することが課題です。

終了後は、懇親会を行い、新規生、既存生ともに交流を深めました。

(竹田)