2015年度の終わり、春休みを締めくくるイベントは、足元シリーズ第2弾として、田園都市線沿線のたまプラーザ周辺を吉田桃子さんの案内で歩きました。
まずはたまプラーザ周辺の元石川第一地区、いわゆる「美しが丘」周辺の、多摩田園都市開発初期の住宅地を歩きました。
商業地区や公園、学校などの配置、徹底した歩車分離、クルドサックや環状道路を多用した通過交通の排除など、都市開発のマスタープランが現在も生きていること、街の骨格がその後の住宅地に与える決定的な影響など、とても印象的な街でした。一方で、住宅のロットが大きいために相続時に小さく区分けされて建て売りのような住宅に置き換わる箇所が散見されるなど、今日的な問題も目撃しました。
その後、あざみ野まで足を伸ばし、田園都市開発50周年に作られた住宅地、ジェネヒルあざみ野を見学しました。
こちらは、マスタープランのスケールでは何らかの思想を感じるものではありませんでしたが、道路と宅地の間に設けられた分厚い中間領域の植栽、公道に入れられたレンガのパターンや植栽のハンプ、南欧風に統一された住宅の意匠など、これはこれで徹底した計画者の態度を感じました。
「住宅地がインフラとして計画されているか、商品としてデザインされているかの違い」との石川先生による解説。
最後に、あざみ野駅近くの団地のタウンハウスを見学しました。多摩ニュータウンの鶴牧のタウンハウスを思わせる丁寧な作りの集合住宅でした。